ぼくの知り合いのヲタが突然こんなことを言い出しました。
「俺のこの想いはなっちに届いている。なっちはテレビで、コンサートで俺のほうを向いて微笑んでくれた。」
見開いた眼で語る姿が怖くなったぼくはその場を適当に濁してうちに帰りました。卒業の季節にはそんないっちゃった奴も出てくるよなあと思いながら。
そして、そのことを師と仰ぐ某サイトの管理人に話したんです。
「そんなことが本当にあるんでしょうか?」
「まさか、そんなことはありえないよ」
「でも、じゃあなぜ師匠はファンサイトなんてものを続けているんですか? どんなに応援していてもそれが本人に届かないと言うのは徒労じゃないですか。現にこの卒業でサイトの運営自体をやめてしまう人も多いです。とうとう事務所に愛想が尽きた人も少なくありません。ソロになった安倍なつみ、なっちの抜けたモーニング娘。本体、どちらの未来も暗澹たるものと陰鬱な声が満ちています」
「私もそうした声を否定したりはしない。ただ、これからなっちが厳しい茨の道を血を流しながら進むと考えるのと、素晴らしい未来の道へ向かうと考えるのと、どちらがよいだろうか」
「私たち一人一人は限りなく無力だ。何も出来ることはない。悪い噂に翻弄され、事務所の心無い方針をただ受け入れるしかない。でも、卒業発表からの半年、いや、その前の22歳の私リリース、いや、実際はもっともっと前から私はこの日のために、少しづつ、未来は明るいものだと自分に言い聞かせてきた。サイトに書いた文章は自分のための処方箋だ。それがファンというものじゃないか? おかげで私は今とても穏やかな気持ちでいる。「今日は今日で楽しもう」彼女の言葉だ。また明日には新しい命を与えられるのさ、そう信じている」
ぼくはこの言葉を聞いてふと恐ろしくなりました。自分は「来るべき未来」に向けて何か今、準備をしているのだろうか。日々を漫然と過ごし、流されるままに生きている。

*11箇所ほど「死ぬのが怖くなくなる薬」に似ているところがありますが、当局では著作権侵害とは考えておりません。

卒業発表からの半年間は、ぼくらに与えられた準備期間だったのでしょう。ただ、横浜に行った人たち以外には、今日という日は何も変わらない普通の日なんです。カタルシスはないんです。そういう意味では、発表の時点で終わりは始まっていたのかもしれません。

http://www.geocities.co.jp/MusicHall-Horn/7131/syunjun1.htm

22歳の私発売発表当時に書いたものです。括弧書きは全て公式な資料からとっています。

http://www.geocities.co.jp/MusicHall-Horn/7131/touchou19.htm

ほかの日記でも紹介されている、卒業発表を受けてのものです。この時は漫才のネタとして思いついた「辻加護同時卒業」が今は現実です。

この半年、僕自身はこのくらいしか「準備」をしていませんでした。だからでしょうか、今は落ち着かなくてしょうがありません。

ホントはもっとくだらないことを思いついて書きたいんですが、うまくいきません。古賀議員はもういっそのこと履歴書にモーニング娘。卒って書いちゃえばいいじゃん、とか。ピロートークでは「娘。は私の血と肉」だって言ってたじゃん! なっち、とか。

しょうがないので、また他人のふんどしを借ります。ぼくがこれまでに聞いた一番ばかばかしくて一番心に残った最終回です。11箇所ほど似ているところがありますが、当局では著作権侵害とは考えていません。

「あ! 辻さんじゃないですか?」
「おおっ!ガキさん。ひさしぶり〜」
「辻さんもぜんぜん変わってないですね」
「そうかな〜? でも、何年ぶり?」
「そうですね〜、娘。が解散してからだから、もう五、六年になるんじゃないですか」
「そっか〜。ずいぶん時間がたっちゃったんだね〜」
「そうですよ〜」
「そういえばガキさんもお母さんになっちゃったんだって」
「あ、そうなんですよ〜。なっちゃいました〜」
「なっちゃたんだ〜」
「なっちゃいました!」
「・・・なんかさあ、このセリフ楽しくない?」
「そうですね」
「なっちゃった。なっちゃった。なっちゃった」
「なっちゃ。なっちゃ。なっちゃ」
「なっち。なっち。なっち」
「なっち、なっち、なっち、なっち」
「なっちなっちなっちなっち。ははは。なんだろこれ。ずっと言ってるとすごく楽しくなれるよ」
「ホントですね、なんででしょうね。なっちなっちなっちなっちなっちなっちなっちなっち」
「なっちなっちなっちなっちなっちなっちなっちなっち〜!」
「なっち!なっち!なっち!なっち!なっち!なっち!」
「なっち〜!なっっち〜!なっち!なっち!」
「ははははは。なんだろ涙が出てきたよ」
「わたしも。でも、不思議だね。なんだかあったかい気持ちになるよ、この言葉」
「うん。なっち、なっち、なっち、なっち〜!」
「なっち、なっち、なっち、なっち!」「なっち、なっち、なっち、なっち!」「なっち、なっち、なっち、なっち!」「なっち、なっち、なっち、なっち!」
なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち、なっち!